8)ギリシア語の前接語がアクセントを前の単語に受け渡す場合 12
前接語とは、前の単語とセットで発音される単語。
前接語は前の単語にアクセントを渡すことがある(前の単語は2つアクセントを持つことになる)。
<前接語が前の単語にアクセントを受け渡す場合>
1)語末から3番目の音節に鋭アクセントがある単語
2)語末から2番目の音節に曲アクセントがある単語
3)語末の音節に鋭アクセントがある単語
3)は本来語末の鋭アクセントが重アクセントになり無アクセント化するのだが、後ろに前接詞が来る場合、前接語の鋭アクセントが語末に受け渡され、結果、語末のアクセントは鋭アクセントを保ったままとなる。
1)の例 φιλόσοφος φιλόσοφός έστιν
2)の例 Ἀθηναῖος Ἀθηναῖός έιμι
3)の例 ἀεί ἀεί ἐισιν
<前接語が前の単語にアクセントを受け渡さない場合>
1)語末の音節に曲アクセントがある単語
2)語末から2番目の音節に鋭アクセントがある単語
ただし、ἐστίνなど2音節の前接語が続く場合は1)と2)で違いがある。
1)の場合は前接語のἐστίνはアクセントを失うが、前の単語のアクセントは変わらない。
2)の場合は前接語のἐστίνはアクセントを失わず、前の単語のアクセントも変わらない。
前接語がアクセントを失わないのは、このケースだけ。
1)の例 ὀδῶν ὀδῶν ἐστιν
2)の例 βιβλίον βιβλίον ἐστίν