4)山の学校「ギリシャ語の夕べ」に参加した感想 6
京都市にある”山の学校”は、唯一、一般人が古典ギリシア語をオンラインで学べる学校だ。
この通信講座を受講する前、どちらにしようか迷い、山の学校が定期的に開催しているプロモーション授業「古典語の夕べ」シリーズの「ギリシャ語の夕べ」(2022年4月2日(土))を受講してみた。
この授業は1時間30分のオンライン授業だが、1回3,500円かかる。
講師は山の学校で古典ギリシャ語の講師をされている広川直幸先生。
プロモーション授業なので、ギリシア語の変遷と、古典ギリシア語初級のクラスでは、いつの時代のギリシア語を学ぶのか?など授業の紹介をし、その後。少し授業体験をした。
大学の講義を受けているような感覚で受講できる。前半は、歴史が好きなら興味深く聞ける話。後半は、ギリシア語のアルファベットと書き方の説明とギリシア語の発音について。1時間30分、飽きずに聴ける話だった。
この授業で私が学んだことは以下の3つ。
1)読みたい古典で学ぶギリシア語を選ぶこと。
2)ギリシア文字はラテン文字と同じに見える文字も少し違うので注意が必要。
3)発音は厳格でなくてもよい。
ギリシア語といっても長い歴史がある言語。地域ごとに方言があり、時代ごとに異なる。
古典期(BC8世紀~BC4世紀)のギリシア語は3つの大きな方言に分かれている。
当時の作品の多くはイオニア・アッティカ方言だが、ドーリス方言やアイオリス方言で書かれた作品もある。
読みたい古典を決め、その特徴を調べ、どのギリシア語を習うかを考える必要がある。
この広川先生の授業では紀元前4世紀のイオニア・アッティカ方言(一般的な古典ギリシア語)が対象。
ギリシア文字はラテン文字と重なるものも多い。ラテン文字はギリシア文字が由来なので、それも当然だ。
しかし、似て異なる文字や、同じ文字なのに発音がまったく違う文字、大文字と小文字がラテン文字とは異なる文字など、いろいろと違いもあり、一つ一つチェックしていく必要がある。
発音に関しては、日本人が古文(古典日本語)を読む時、現在日本語の発音で読むように、古代の発音ははっきりしたことは分からないので、そこまで気にしなくてもよい。
アメリカ人などは、英語のように抑揚をつけて読むし、ギリシア人は現在ギリシア語のように読む。
初級は、人から教えてもらうとなると、時間がかかる割に少ないことしか聞けない。
広川先生の授業、飽きずに1時間30分聞けたが、後から思い返してみると、上記、3つのことを学んだにすぎない。
アルファベットは、自分で書いて覚えるしかないし、発音は記号を見れば分かる。
授業は自分から勉強しなくても、他人が教えてくれるので、努力しなくても頭に入ってくる。
ただ、それを記憶として定着させるには、復習が必要。
結局、勉強は必要。楽はできない。
私は通信講座にしたが、古典ギリシア語の授業には興味が尽きない。
金銭的な余裕があれば、山の学校の授業もオススメだ。